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発行者: CRS細胞農業研究会事務局広報委員会


2020/10/13

CRS細胞農業研究会ニュースレター

広報委員長

委員
本ニュースレターに記載・告知されたい内容がございましたらお気軽にご連絡ください。各ニュースレターのピックアップ、コメントは広報委員会の見解であり、研究会の意見を代表するものではないこと、何卒ご了承ください。
広報委員長:吉富愛望アビガイル

| 目次

 1. ハイライト
The Good Food Institute と Animal Legal Defense Fundが、ルイジアナ州によるプラントベース商品の名称に関する法律に対し起訴
農林水産省による「フードテック官民協議会」設立。フードテック分野における官民連携を推進
2. 資金調達
Big Idea Ventures、Ashika Group、GFI Indiaが共同にて代替プロテインに関するファンドを設立・アクセラレーターを開始
3. ビジネス環境
インテグリカルチャー、化粧品市場に参⼊ 培養液で肌のはり保持
⽇本の⾷産業を代表する6社と共に、グローバルのスタートアップと連携する、サスティナブルな事業共創プログラム『Food Tech Studio – Bites!』をスタート
英国最大の生鮮食品店Tesco が植物性バーガー、ソーセージ、キッシュなどの売上拡大を狙う
双⽇グループが中国の⾷品メーカーと戦略提携、⼈⼯⾁の市場を開拓
 4. 消費者コミュニケーション・その他イニシアチブ
Whole Foods のCEOと Eat Just のCEOが対談
植物⾁「普及元年」に コロナ契機に消費者選好-ウォルマート、扱い拡⼤ 企業研究、政府が⽀援
「⾷は時代と共に、⼈⼯⾁も」⽇本ハム畑社⻑が描く未来
5. イベント
6. 最後に
 ハイライト

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2020/10/07

The Good Food Institute と Animal Legal Defense Fundが、ルイジアナ州によるプラントベース商品の名称に関する法律に対し起訴。表現の自由を理由に

サマリー

  •  The Good Food Institute(プラントベーストとクリーンミートの推進を図る非営利組織)と Animal Legal Defense Fund(動物愛護団体)が、ルイジアナ州によるプラントベース商品の名称に関する法律に対し、プラントベース食品会社 (ターキーに似せた豆腐加工力品の製造販売を行うTofurky) に代わって裁判を起こした
  • 両団体の起訴の対象となった法律は、「バーガー」や「ソーセージ」という用語を用いて売られているすべてのプラントべ-ストミート商品に対して1商品に付き1日$500の罰金を課すというものである(「ヴィーガン」「ベジ」「プラントベースト」と明記してある商品であっても違法として罰金を課される)。同法律は2020年10月1日に施行された
  • 両団体は、同ルイジアナ州の法律がTofurkyによる表現の自由を侵害しているとして起訴
  • GFI は記事のなかで、米国のFDA (The Food and Drug Administration) はプラントベーストの商品に対して、その性質や原材料を明確化するような名称をつけることを求めており、「バーガー」や「ソーセージ」などもその商品の味や提供方法を示す重要な情報に当たる、とコメント。また、消費者がプラントベースト商品を肉製品と間違えることはないと主張
  • ルイジアナ州の法律はアーカンソー州、ミズーリ州、ミシシッピ州などで可決された食肉表示に関する法律と類似しており、これらの法律の多くは同団体による同様の批判を受けている。例えば昨年同3団体(GFI、ALDF、Tofurky) とAmerican Civil Liberties Union (アメリカ自由人権協会)はアーカンソー州の同様の法律に対して違憲と唱え、勝訴している
  • “消費者が植物をベースにした選択肢を選ぶのは、消費者が混乱しているからではなく、環境や人間の健康、動物の福祉にも良いからだということは、今のところ明らかです。”とTofurkyのCEOであるJaime Athos氏はコメント

吉富コメント:
  • プラントベースト食品を動物性食品の代替物としてではなく全くの新しい食品として認識する消費者が増加すれば、既存名称の取り合いを避けることができるのだと思いますが、プラントベースト商品の認知度向上に十分余地のある現段階においては難しいようです
  • プラントベースト商品に今まで触れる機会のなかった消費者の目線からすると、今までの調理・食事経験に基づき商品を選ぶことができるのは大変便利であると感じます。その意味では、文中のGFIがコメントしたように「バーガー」という名称が入っているほうが手に取りやすいのは確かだと思います

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2020/10/02

農林水産省による「フードテック官民協議会」設立。フードテック分野における官民連携を推進

サマリー

  • 農林水産省では、フードテック分野の協調領域における課題やその対応について、食品企業、ベンチャー企業、関係省庁、研究機関等の関係者で構成する「フードテック研究会」を令和2年4月に立ち上げ、7月に中間とりまとめを公表
  • 中間とりまとめを踏まえ、協調領域の課題解決の促進や新市場の開拓を後押しする官⺠連携の取組を推進する「フードテック官⺠協議会」を設置した

吉富コメント:細胞農業研究会はフードテック官民協議会の培養肉WT(ワーキングチーム) も兼ねて、今後も培養肉に関するルール形成を進めます

資金調達環境

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2020/10/09

Big Idea Ventures、Ashika Group、GFI Indiaが共同にて代替プロテインに関するファンドを設立・アクセラレーターを開始

サマリー

  • Big Idea Ventures (BIV)、Ashika Group (インド拠点のファイナンシャルサービス)、Good Food Institute India (GFI India) の設立したThe BIV-Ashika India Alternative Protein Fundは、プラントベースや発酵、細胞農業技術を開発するスタートアップの支援をおこなう
  • 同ファンドは2021年に開始するアクセラレータープログラムに向けてすでに$25mの調達を開始した
  • Big Idea Ventures (BIV)は$50m規模の運用実績と、ニューヨークやシンガポールを拠点としたアクセラレーター運営経験があり、20社以上への投資実績がある
  • Good Food Institute Indiaは代替プロテイン業界におけるシンクタンクである
  • Ashika Groupは過去に飲料・食品セクター企業の資金調達や事業拡大の支援経験がある
ビジネス環境

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2020/10/09

インテグリカルチャー、化粧品市場に参⼊ 培養液で肌のはり保持

サマリー

  • インテグリカルチャーは、アンチエイジングを⽬的とする化粧品を開発
  • 自社で細胞培養した際に培養液に肌のはりを保つ有効成分が染み出ていることを発⾒したことから事業企画に至る
  • ⾃社ブランドの化粧品を作り、化粧品市場に参⼊予定。2021年4⽉の製品化を⽬指す

吉富コメント:
  • 細胞農業研究会に参画されている、インテグリカルチャー社の取り組み紹介記事です
  • 様々な化粧品や革製品など、様々な分野から細胞培養への認知向上が向上することを期待します

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2020/09/30

⽇本の⾷産業を代表する6社と共に、グローバルのスタートアップと連携する、サスティナブルな事業共創プログラム『Food Tech Studio – Bites!』をスタート

サマリー

  • サンフランシスコ拠点のスクラムベンチャーズ主催のコンソーシアム
  • スクラムベンチャーズが選考したフードテック関連のスタートアップと同プログラムのパートナー企業で事業共創を行う
  • 現時点でのパートナー企業は、不⼆製油グループ本社株式会社、⽇清⾷品ホールディングス株式会社、株式会社伊藤園、株式会社ユーハイム、株式会社ニチレイ、⼤塚ホールディングス株式会社の6社
  • 戦略パートナーに株式会社博報堂、東京建物株式会社、株式会社シグマクシス、辻調理師専⾨学校が参画

吉富コメント:
細胞農業研究会参画企業が数社参画されているコンソーシアムであり、ぜひ今後の活躍に注目したいと思います

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2020/09/30

英国最大の生鮮食品店Tesco が植物性バーガー、ソーセージ、キッシュなどの売上拡大を狙う

サマリー

  • Tescoがフレキシタリアンにむけた植物性バーガー、ソーセージ、キッシュなどの売上拡大を狙う
  • 英国企業で初めて代替肉事業の売上目標(対2018年比300%の売上拡大を2025年までに達成)を発表。同社は2019年に約$33mの売上を達成したブランドを含む2つのプラントベースト食品ブランドを保有
  • 本目標は、WWFと共同で行うサステナビリティプログラム(小売店の食品の環境インパクトを抑える取り組み)の一環として発表
  • 英国における代替肉市場は急拡大しており (2014~2019年の間に40%増)、2024年までに同国内における市場規模が$1.4bnにまで成長すると見込まれる。一方で同国内のヴィーガン人口は約1%であることから、同市場の成長ドライバーはフレキシタリアンによるものと考えられている

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2020/09/28

双⽇グループが中国の⾷品メーカーと戦略提携、⼈⼯⾁の市場を開拓

サマリー

  • 中国の⾷品メーカー「双塔⾷品(Shuangta Food)」が、⽇本総合商社の1つ・双⽇の100%⼦会社である「双⽇⾷料」との戦略提携に向けた意向書に署名し、戦略的パートナーシップを締結したことを発表した
  • 両社は、⼈⼯⾁の原材料となるエンドウ⾖由来のタンパク質および関連製品の研究開発、⽣産、販売で提携。また、⽇本およびその他の海外市場でマーケットを開拓
消費者コミュニケーション・その他イニシアチブ

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2020/10/05

Whole Foods のCEOと Eat Just のCEOが対談

サマリー

  • プラントベーストや細胞農業技術による食品の未来について語った
  • Eat Just 社のCEO Josh Tetrick氏は、同社が近々プラントべーストの卵の最新版を発表するとコメント。培養肉については、量産されるようになればlab-grown(研究室で育てられた)肉とは呼ばれなくなるだろう、培養肉は肉と呼ばれるべきとコメント
  • Whole Foods のCEO John Mackey氏培養肉について、今後の15~20年間の食産業を大きく変容させるだろうと言及

吉富コメント:
「まだプラントベースト食品の売り上げが日本国内で見込めるかわからない」という食品事業者、小売事業者の声もある中で、業界で有名なプラントベースト食品の企業が世界的な小売大手に注目されているメッセージが発信されることは象徴的であると感じます

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2020/10/03

植物⾁「普及元年」に コロナ契機に消費者選好-ウォルマート、扱い拡⼤ 企業研究、政府が⽀援

サマリー

  • 新型コロナウイルス禍を契機に消費者の意識が変わってきた。⽶⼩売り最⼤⼿Walmartなど流通企業が取り扱いを拡充し、国内外の外⾷企業でもメニュー投⼊が相次ぐ
  • ⾷品⼤⼿や新興企業も商品開発を強化し政府の後押しも広がる
  • 同記事にて次を紹介
    • Beyond Meat、Impossible Foods、Starbucks、Walmart、Green culture (東京拠点)などの各企業の活動
    • EUが5⽉に発表した、持続可能な⾷料システムの構築戦略「Farm to Fork(農場から⾷卓まで)」(研究開発に計100億ユーロ(1兆2400億円)を投資)
    • 農林⽔産省が2⽇、品質の担保や技術基盤の確⽴に向けて立ち上げた「フードテック官⺠協議会」など

吉富コメント:
新型コロナ禍による代替プロテイン市場の盛り上がりや各国政府のイニシアチブについて紹介した記事です

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2020/09/28

「⾷は時代と共に、⼈⼯⾁も」⽇本ハム畑社⻑が描く未来

サマリー

  • 今後⼤⾖由来の植物⾁や培養⾁などは、人口増加に伴うタンパク質源への需要を補う分として必要になる
  • (栄養面・味などで肉を超えることに課題の多い)⼈⼯⾁が肉に置き換わるとは考えておらず、同社は食肉事業にも今後も投資を行う予定である(国内の畜産拠点の効率化や食肉以外の事業への投資など)
  • ⽇本ハムは3⽉に植物⾁ブランド「NatuMeat(ナチュミート)」を⽴ち上げた

吉富コメント:
  • 日本ハムは、インテグリカルチャー社との細胞培養に関する基盤技術の共同開発や、同社の2020年5月の第三者割当増資の引受先となるなど、細胞農業技術に積極的に切り込む食肉事業者として印象的です
  • 既存の食肉事業の方向性とプラントベースト肉、培養肉への投資を今後どのように両立させシナジーを生み出すか、その両立方針について株主や消費者にどのようなコミュニケーションをするかに注目をしたいです




















 最後に


イベント告知や皆様のニュースリリースなど、本レターに載せてほしい情報や興味深い内容などありましたらぜひお気軽に共有ください。

Foot note
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